ローカルレースとは?
もっとも一般的なカートレースは、サーキットごとに開催されるもの。サーキットごとにレギュレーション(規則)が定められ、シリーズ戦もひとつのサーキットで実施される。
このようなレースを一般的に「ローカルレース」と呼ぶ。
ローカルレースにはドライバーのレベル等に応じて、さまざまな「クラス」が設けられている。このクラスは、基本的に全国共通の設定になっており、“どのエンジンを搭載して、どのタイヤを装着するか”で決まる。
ローカルレースでもっとも歴史があるのが、通称「SLレース」こと「TOYOTA SLカートミーティング」。ドライバーの年齢などに応じてさまざまなクラスが設けられているが、どのクラスも空冷100ccエンジンのヤマハKT100Sシリーズを使用する。
2000年辺りから盛んになってきたのが、電気式スターターを備えた125ccエンジン(水冷方式が一般的)を使用するレースだ。これには「ロータックス125MAX」「ボルテックスRok」「PRDアバンティ」「イアメ・パリラX30」など、搭載エンジンの銘柄によっていろいろなクラスがある。
いずれのエンジンもヤマハKT100Sシリーズより排気量が大きく、最大出力・トルクに勝っているので“中・上級ドライバーのためのクラス”という色合いが強い。
全国大会/世界チャンピオン大会
エンジン銘柄ごとのクラスによるレースでは、ローカルレースの枠を超えた大会も行なわれている。
全国各地のローカルレースの参加者たちがひとつのサーキットに集まって開催される“全国大会”がそれだ。
全国大会は、そのクラスで日本一のドライバーを決める大会であると同時に、同じクラスのレースを戦う各地のドライバーたちが友好を深めあう場としての意味も持っている。全国大会の元祖といえるのが、1977年に始まった「TOYOTA/YAMAHA SLカートミーティング全国大会」。SLレースの参加者たちの全国大会だ。
それに匹敵する人気を誇るのが、ロータックス125MAXエンジンのレースの全国大会である「ロータックスMAXフェスティバル」。また、イアメ・パリラX30エンジンのレースでも、「X30マスターズカップ」と銘打った全国大会が行なわれている。ローカルレースや全国大会は、さらに世界へとつながっていく。
ロータックス125MAXエンジンとイアメ・パリラX30エンジンのレースでは「世界チャンピオン大会」が開催されており、ロータックスMAXフェスティバルとX30マスターズカップが、その日本代表選手を決める予選大会を兼ねている。
ボルテックスRokエンジンを使用する「Rokカップ」にも世界チャンピオン大会があり、ここにも日本から代表ドライバーが招待されている。
TOYOTA/YAMAHAスカラシップ
ローカルレースから始まるカートレースの世界には、カート界の頂点やプロのレーシングドライバーを目指す選手たちを支援する仕組みも存在する。
その一例が「TOYOTA/YAMAHAスカラシップ」。ヤマハがトヨタ自動車(株)の協力を得て実施しているスカラシップ(奨学生制度)だ。
ここではSLレースで優秀な成績を収めたドライバーたちに対し、上のクラスへのステップアップに際して物品サポート(無償及び優待価格での提供)を行なっている。
ヤマハはそれに加え、カートレースで才覚を現したドライバーに対して、フォーミュラレースのレーシングスクールへの入校をサポートする「TOYOTA/YAMAHAステップアップシステム」も実施している。地元のサーキットから日本一へ、世界一へ、そしてフォーミュラレースへ……。ローカルレースには、未来への夢と希望が詰まっているのだ。
ヤマハモーターパワープロダクツ株式会社
TOYOTA YAMAHA スカラシップ